アプリケーション開発でデータを扱うとき、データベースは欠かせない存在です。
しかし、本格的なデータベースサーバを構築するのは手間がかかる…そんなときに便利なのが「SQL Server LocalDB」です。
「SQL Server LocalDB」は、Microsoft が提供する SQL Server Express の軽量実行モードで、開発者向けに設計されたデータベースです。
インストールも数分で終わり、複雑な設定作業もほとんど必要ありません
通常のSQL Serverと同じTransact-SQLが使えるため、「まずはデータベースを触ってみたい」「アプリと連携する動作確認をしたい」といった開発初心者にも最適です。
LocalDBの大きな特徴は、環境構築の手軽さです。
Windowsサービスとして常駐せず、必要時のみ起動して不要になれば終了する仕組みを採用しています。
このため、サーバー管理やネットワーク設定を行わなくても、ローカル環境でSQL Serverと同じ操作が行えます。
また、LocalDBはSQL Server Expressの一部として無料で利用可能です。個人開発や学習用途で広く利用されています。
この記事では、LocalDBの実際の使い方について詳しく解説していきます。
1.インスタンスの操作
(1)インスタンスの確認方法
コマンドプロンプトで「sqllocaldb info」と入力し、「Enter」を押下すると、現在作成されているインスタンスが表示されます。

(2)インスタンスの作成方法
コマンドプロンプトで「sqllocaldb create ”インスタンス名”」と入力し、「Enter」を押下すると、インスタンスが作成できます。

(3)インスタンスの削除方法
コマンドプロンプトで「sqllocaldb delete “インスタンス名”」と入力し、「Enter」を押下すると、入力したインスタンスが削除されます。

2.LocalDB専用SQL Serverの接続方法
(1)SQL Server Management Studioを起動します。

(2)下記を入力し、「接続(C)」を押下します。
・サーバーの種類(T):データベースエンジン
・サーバー名(S):(localdb)\インスタンス名
・認証(A):Windows認証

3.LocalDBファイル作成方法
(1)「データベース」を右クリックします。

(2)「新しいデータベース(N)…」を押下します。

(3)「データベース名」とmdfファイルの「保存パス」を指定し、「OK」ボタンを押下します。
※行データ、ログともに同じフォルダを指定してください。

4.LocalDBファイルへの接続
(1)「データベース」を右クリックします。

(2)「アタッチ(A)…」を押下します。

(3)「追加(A)…」を押下し、接続するmdfファイルを選択します。

(4)「OK」を押下します。

(5)アタッチしたmdfファイルへ接続されていることを確認してください。
以上でLocalDBファイルへの接続は完了です。

5.LocalDBファイルの接続解除
(1)「データベース」を押下します。

(2)接続解除するデータベースを右クリックし、「タスク(T)」を押下します。

(3)「デタッチ(D)…」を押下します。

(4)「OK」を押下します。

(5)SQL Server Management Studioを再起動してください。
(6)デタッチしたデータベースが接続解除されていることを確認します。
以上でLocalDBファイルの接続解除が完了です。
6.VSのSQL Server既定インスタンス名の設定
(1)VisualStudioを起動します。
(2)「ツール」を押下します。

(3)「オプション」をクリックします。

(4)「データベースツール」を押下します。

(5)「データ接続」を押下します。

(6)「SQL Serverインスタンス名(既定は空白)(S)」にmdfファイルを作成したインスタンス名を入力します。
入力後、OKボタンを押下し、既定のインスタンス名の設定は完了です。

7.VSからLocalDBファイルへの接続
(1)Visual Studioの「表示(V)」を押下します。

(2)「サーバーエクスプローラ(V)」を押下します。

(3)「データ接続」を右クリックします。

(4)「接続の追加(A)」を押下します。追加(A)」を押下します。

(5)「変更(C)…」を押下します。

(6)「Microsoft SQL Server データベースファイル」を選択し、「OK」を押下します。

(7)「参照(B)…」を選択し、mdfファイルを選択します。

(8)「Windows認証を使用する(W)」を選択し、「OK」を押下します。
以上でLocalDBへの接続は完了です。

