現代のIT環境では、データベースの理解は欠かせません。この記事では、データベースの基本的な仕組みを解説します。
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データベースとは
データベースとは、システムの大量なデータを整理し、安全かつ効率的に保存・検索・更新するための仕組みです。
単なる「データの入れ物」ではなく、次のような役割を担っています。
・データの重複や不整合を防ぐ
・複数アプリケーションから同時にアクセスできる
・必要なデータを高速に検索できる
・障害でもデータの保護・復旧できる
ExcelやCSVなどのファイルでもデータ管理は可能ですが、次のような場面では、データベースの利用が不可欠になります。
・データ量が多い場合
・複数アプリケーションから同時にアクセスする必要がある場合
・正確性・信頼性が求められる場合
工場では、製品の生産データ、品質データ、受発注データ、従業員の勤怠データ、材料や製品の入出庫データなど、さまざまな情報を継続的に管理する必要があります。
そのため、工場のシステムにおいてデータベースの利用は欠かせない要素となっています。
データベースの種類
ここでは、データベースの種類と、データベースの定義・操作・制御などの機能を持つミドルウェア（データベース管理システム：DBMS）について解説します。
リレーショナルデータベース（RDB）
リレーショナルデータベースは、表（テーブル）形式でデータを管理し、表同士を関連付けて扱うデータベースです。
代表的なデータベース管理システム（DBMS）には、次のようなものがあります。
・Oracle Database
・Microsoft SQL Server
・MySQL
・PostgreSQL
主な特徴は次のとおりです。
・表形式で直観的に理解しやすい
・SQLという共通言語で操作できる
・データの整合性を保ちやすい
リレーショナルデータベースは工場システムをはじめとした業務システムで最も広く利用されています。
NoSQL
NoSQLとは、リレーショナルデータベース以外のデータベースを総称です。
代表的な製品は次のようなものがあります。
・MongoDB（ドキュメント型）
・Redis（キー・バリュー型）
・Cassandra（カラム指向）
・DynamoDB
主な特徴は次の通りです。
・大量データ・高速処理に強い
・柔軟なデータ構造を扱える
・RDBほど厳密な整合性を求めないケース向け
ビッグデータやリアルタイム分析などで使われます。
リレーショナルデータベースの構造
ここからは、最も基本となる「リレーショナルデータベース（RDB）」に絞って解説します。
テーブル・カラム・レコードの関係
リレーショナルデータベース（RDB）は、「テーブル（表）」でデータを管理します。
テーブル（表）は、「カラム（列）」、「レコード（行）」で構成されています。
| テーブル（表） | データの集合 |
| カラム（列） | 1件分のデータ |
| レコード（行） | データ項目 |
この「テーブル（表）の集まり」を関連付けて使うのがリレーショナルデータベースの特徴です。
主キーと外部キー
リレーショナルデータベースでは、データ同士のつながりを正しく管理するために欠かせないのが「主キー（Primary Key）」と「外部キー（Foreign Key）」です。
これらがあるおかげで、膨大なデータの中から特定の情報を一意に特定したり、複数のテーブルを関連付けたりすることができます。
主キーとは
主キーは、テーブル内のレコード（行）を一意に特定するための識別子です。
・重複してはいけない（一意性）： 同じIDを持つデータが2つ存在してはいけません。
・空であってはいけない（Not Null）： 必ず値が入っている必要があります。
外部キーとは
外部キーは、別のテーブルの主キーを参照している列のことです。テーブル同士を「紐付ける」ための架け橋の役割を果たします。
・参照整合性： 外部キーに値を入れる場合、参照先のテーブルにその値が存在しなければなりません。
・データの親子関係： 参照される側を「親テーブル」、参照する側を「子テーブル」と呼びます。
正規化とは
正規化とは、データの重複や矛盾を防ぐために、テーブルの構造を整理することです。
正規化には段階的なルールがあり、主に次の正規形があります。
| 第1正規形（1NF） | 繰り返し項目を排除し、各列には1つの値だけを持たせることです。 ・同じ意味の列を複数作らない ・1つの項目に複数の値を詰め込まない |
| 第2正規形（2NF） | 主キーの一部にのみ依存する項目を排除することです。 ・主に 複合主キー を持つテーブルで問題になります ・主キー全体に依存しない項目は、別テーブルに分けます |
| 第3正規形（3NF） | 主キー以外の項目に依存する項目を排除することです。 ・「主キー → 項目A → 項目B」のような 間接的な依存関係 をなくします ・コードと名称、IDと属性などを分離するイメージです |
| 第4正規形（4NF） | 互いに独立した複数の繰り返し関係を排除することです。 ・1つのテーブルに「関係の異なる複数の繰り返し情報」が混在している場合に分解します ・実務で意識する場面は多くありませんが、理論的には重要な正規形です |
実務では 第3正規形まで意識できていれば十分なケースが多いです。
まとめ
今回は、データベースの基礎についてご説明いたしました。
システム構築をする際には、データベースの知識は欠かせません。データベースを理解する第一歩として役立てていただければ幸いです。
次章では、SQL文の基礎についてご説明いたします。
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