シーケンス制御

シーケンス制御と制御装置(PLC)

シーケンス制御を学ぶことは、あらゆる産業において、自動化技術が進化している現代において、非常に大きなメリットがあります。

現代の産業社会で活躍するための、論理的な思考力と実力的なスキルを身につけることにつながります。


シーケンス制御とは

製造業の現場で機械を自動的に動かすために欠かせない技術がシーケンス制御です。

機械や装置が「あらかじめ定められた順序・手続きに従って動作をさせていく」制御方式のことです。私たちの身の回りにある全自動洗濯機やエレベーター、自動販売機などもシーケンス制御によって実現されています。

全自動洗濯機を例にあげると、

1.スタートボタンを押す(入力)

2.給水する(動作)

3.水が一定量に達したら(条件)

4.給水を停止し、洗いを始める(次の動作)

5.洗いの設定時間が経過したら(条件)

6.排水し、すすぎを始める(次の動作)

7.…

8.脱水して停止する(最後の動作)

このように、「この動作が終わったら次はこの動作」というように、順番と条件(時間やセンサーの信号など)を決めておいて、その通りに機械を動かす仕組みがシーケンス制御です。

工場の組立ラインや産業用ロボットの動作制御など、シーケンス制御はあらゆる場面で使用されています。

変電所
工場

シーケンス制御を構成するもの

シーケンス制御をとりまく機器には、大きく4つに分かれます。

  • 人が操作するもの
  • 人に機械の状態を知らせるもの
  • 機械の状態を検出するもの
  • 機械を動かすもの

大型のモーターや電磁弁など負荷の大きいものはシーケンス制御を行うコンピュータから直接駆動できないため、電磁接触器やリレーを介して駆動する必要があります。

例えば、全自動洗濯機もいろいろな機器を組み合わせてシーケンス制御されています。

「人が操作するもの」
洗濯のスタートボタンや切り替えダイヤルなど

「人に機械の状態を知らせるもの」
運転中のランプや表示パネルなど

「機械の状態を検出するもの」
水位センサーなど

「機械を動かすもの」
洗濯槽を動かすモーターや排水弁など


シーケンス制御を行うPLCとは?

シーケンス制御を実現するものは、工場や大規模な設備で主流となっているPLCと呼ばれる小型のコンピュータです。

PLCとは、Programmable Logic Controller(プログラマブル・ロジック・コントローラ)の略称です。

PLCを三菱電機が「シーケンサ」という製品名で販売していることから、日本で広くPLCと同義で使われています。

PLCは「プログラム可能な論理回路の制御装置」のことで、パソコンでプログラミングを行い、PLCへプログラムを書き込むことで、シーケンス制御を実現します。


主要なPLC製品

PLCは産業用の小型コンピュータで、設備の規模や機能によっていろいろな物があります。主要メーカーのPLC製品をご紹介します。

三菱電機

国内市場で圧倒的なシェアを誇あり、特に製造業の現場ではその商標である「シーケンサ」がPLCの代名詞になるほど浸透しています。

(写真:三菱電機)
  • 豊富なラインアップ:小型から大規模システムまで、幅広い製品ラインアップを提供しています。
  • 高い互換性:三菱電機のPLCを導入している企業が多いため、他機器との連携や技術的なノウハウが蓄積されており、導入のしやすさが強みです。
  • 高速性:独自の高速システムバスやマルチCPUによる並列処理で、高速制御を実現しています。
  • 周辺機器との親和性:サーボアンプやタッチパネルといったFA機器との連携性が高く、トータルソリューションを提供します。
オムロン

FA(ファクトリーオートメーション)における総合制御機器メーカーとして、PLC以外の製品も含めたトータルなシステム構築に強みを持っています。

(写真:オムロン)
  • 国際標準への対応:国際標準規格に準拠した製品が多く、グローバルな工場展開に適しています。
  • オープン性:C言語などのプログラミング言語に対応しており、PC系アプリケーション開発者でも扱いやすいのが特徴です。
  • インテリジェントな制御:制御と同時に品質検査やAIによる予知保全などを実現する機能を搭載した製品も展開しています。
  • 制御とモーションの統合:シーケンス制御とモーション制御を一つのコントローラに統合し、複雑な制御システムをシンプルに構築できます。
キーエンス

「世界初」や「業界最速」といった高い性能と直接販売による手厚いサポート体制が特徴です。

(写真:キーエンス)
  • 超高速処理:業界最速クラスの基本命令実行速度と、並列演算処理を可能にする高性能なCPUを搭載しています。
  • トラブル予防・解決機能:ドライブレコーダ機能など、トラブルの原因究明を支援する機能が充実しています。
  • プログラムレス通信:同社のセンサや周辺機器とプログラムレスで通信できるため、システム構築を迅速に行えます。

PLCが置いてある場所はどこか?

工場や変電所などの施設内には、電気室と呼ばれる電気設備が格納された部屋、もしくは、空間があります。

この電気室には、機械や設備を操作・制御するための電気部品や機械をまとめて収納した「盤」と呼ばれる箱があります。特に機械を制御するための装置や機器が入っている盤を制御盤と呼びます。

電気室の制御盤

この制御盤の中には、電磁接触器やリレー、PLCなど、機械の動かすための機器が設けられています。

制御盤の中身

「スイッチやランプ」
人が操作するために、盤の前面にスイッチやランプを設置します。スイッチの入力をPLCが取り込み、現在の稼働状態をランプで表示します。

「ブザーや計器」
人に機械の状態を知らせるために、盤の前面にブザーや計器を設置します。PLCが制御して、異常発生時にブザーを鳴動させたり、現在の測定値を計器で表示させたりします。

「電磁接触器」「リレー」
PLCのON/OFF信号で、より大きな負荷装置を駆動するための電磁接触器やリレーです。

「端子台」
外部と信号をやりとりするために端子台を設置します。PLCへセンサーの入力信号を取り込んだり、PLCからリレーを経由して外部に信号を伝達したりします。

制御盤の前面

運用時において制御盤の扉は閉じらてた状態で、工場のオペレータは前面のランプや計器の表示を確認したり、スイッチを操作します。

押しボタンスイッチや切り替えスイッチ、ランプやタッチパネルなどが取り付けられた、人が操作したり機械の状態を人に知らせる事に特化した盤を操作盤と呼びます。

操作盤

制御盤や操作盤は、設備に合わせてオーダーメイドで製作するため、多種多様なものがあります。



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