シーケンス制御を実現するために、産業用の制御コンピュータであるPLCにラダープログラムをプログラミングする必要があります。
ラダープログラムのしくみと、書き方や主な記号についてご紹介します。
ラダープログラムのしくみ
シーケンス制御を行うためのプログラムはラダー図として作成します。
左側の0,4,9の数字はステップ番号といい、処理の順番を表します。ステップ番号は自動で採番されます。
処理は0ステップからEND命令までを周期的に繰り返し実行されます。これをサイクリック演算といいます。
一巡に要する時間をスキャンタイムといいます。スキャンタイムはプログラムの内容や入出力処理により変化しますが、通常は数ミリ秒~数十ミリ秒程度です。

左右にある縦線を母線と呼びます。
ラダープログラムは、上から下、左から右の順に処理されます。次の図のように①~⑮の順にプログラムが動作します。

基本的には左から右の順位に実行されますが、最初に並列接続(③と④)となる場合は上から下の順番になります。
ラダープログラムの書き方
次の図のように、左側に接点を書き込み、右側にコイルや命令を書き込みます。

次の図の左側のように、接点は同じデバイスの接点を何個も記述できます。

次の図の左側のように、出力リレーや内部リレーの接点を何個も記述できます。

ただし、次の図の右側ように同じ出力リレーや内部リレーを記述することは基本的に禁止されています。これを2重コイルといい、誤作動の原因となるため避けてください。

ラダープログラムの主な記号と回路
a接点

a接点は、通常時に回路が開いている接点です。スイッチを押すと回路が閉じて、電流が流れてONになります。ノーマルオープンやメーク接点などと呼ばれる事もあります。
b接点

b接点は、通常時に回路が閉じている接点です。スイッチを押すと回路が開いて、電流が遮断されてOFFになります。ノーマルクローズやブレイク接点などと呼ばれる事もあります。
コイル

コイルは、ランプやモーターのような負荷に電気を流すために用いられます。プログラム上でコイルをONにすると、配線されたランプが点灯したり、モーターが駆動します。逆に、コイルをOFFにすると、ランプが消灯したり、モーターが停止します。
END命令

END命令は、プログラムの終わりに用いられる命令です。プログラムの最後を表しています。
SET命令(セット命令)

SET命令は、出力リレー(Y)や内部リレー(M)などに対して用いられます。接点のX0がONになると、出力リレーのY10がONになります。その後、接点のX0にOFFになっても出力リレーのY10はONし続けます。
RST命令(リセット命令)

RST命令は、出力リレー(Y)や内部リレー(M)などに対して用いられます。接点のX0がONになると、出力リレーのY10がOFFになります。
AND回路(a接点とa接点の直列接続)


a接点とa接点のAND回路は、X0とX1の両方がONの場合のみ、Y10がONになります。
AND回路(a接点とb接点の直列接続)


a接点とb接点のAND回路は、X0とX1の否定(NOT)の両方がONの場合のみ、Y10がONになります。
OR回路(a接点とa接点の並列接続)


a接点とa接点のOR回路は、X0またはX1のうち、どちらか一方でもONの場合にY10がONになります。
OR回路(a接点とb接点の並列接続)


a接点とb接点のOR回路は、X0またはX1の否定(NOT)のうち、どちらか一方でもONの場合にY10がONになります。
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