GX Works3

【GX Works3】ラダープログラムのタイマ(T)の説明

ラダープログラムのタイマは、入力条件がONしている時間をPLC内部で加算して、設定値に達すると接点が動作するデバイスです。


タイマの種類

タイマには、「低速タイマ」「高速タイマ」「低速積算タイマ」「高速積算タイマ」の4種類があります。

「低速タイマ」「高速タイマ」は、タイマのコイルがONになると、現在値の加算が開始されます。現在値が設定値と同じになると、タイマの接点がONになります。加算の途中でタイマのコイルがOFFになると、現在値は0にリセットされ、タイマの接点もOFFになります。

低速タイマ

低速タイマは、100ms単位でタイマの現在値を加算します。

次の例のコイルは、「t0 k30」または「out t0 k30」を入力すると回路を作成できます。「T0」を低速タイマとして使用し、「K30」=「3秒」が設定値です。

この回路は、接点「X0」がONすると、コイル「T0」の加算が開始します。接点「X0」のONが3秒以上続くと、現在値が設定値の「K30」と同じ値になり、接点「T0」がONになります。

高速タイマ

高速タイマは、10ms単位でタイマの現在値を加算します。

次の例のコイルは、「h t1 k30」または「outh t1 k30」を入力すると回路を作成できます。「T0」を高速タイマとして使用し、「K30」=「0.3秒」が設定値です。

この回路は、接点「X1」がONすると、コイル「T1」の加算が開始します。接点「X1」のONが0.3秒以上続くと、現在値が設定値の「K30」と同じになり、接点「T0」がONになります。

「低速積算タイマ」「高速積算タイマ」は、タイマのコイルがONになると、現在値の加算が開始されます。現在値が設定値と同じになると、タイマの接点がONになります。加算の途中でタイマのコイルはOFFになっても、現在値は保持され、再度コイルがONすると、加算を続行するため、現在値は積算されます。

低速積算タイマ

低速積算タイマは、100ms単位でタイマの現在値を積算します。

次の例のコイルは、「st0 k30」または「out st0 k30」を入力すると回路を作成できます。「ST0」を低速積算タイマとして使用し、「K30」=「3秒」が設定です。

この回路は、接点「X2」がONすると、コイル「ST0」の加算が開始します。接点「X2」のONが合計して3秒以上続くと、現在値が設定値の「K30」と同じになり、接点「ST0」がONになります。

高速積算タイマ

高速積算タイマは、10ms単位でタイマの現在値を積算します。

次の例のコイルは、「h st1 k30」または「outh st1 k30」を入力すると回路を作成できます。「ST1」を高速積算タイマとして使用し、「K30」=「0.3秒」が設定です。

この回路は、接点「X3」がONすると、コイル「ST1」の加算が開始します。接点「X3」のONが合計して0.3秒以上続くと、現在値が設定値の「K30」と同じになり、接点「ST1」がONになります。

積算タイマの接点OFFと現在値の0クリアはRST命令で行うことができます。

次の例は、接点「X4」がONすると、RST命令で積算タイマ「ST0」の接点がOFFし、現在値が0になります。


タイマの使い方

タイマは、ラダープログラムで遅延に用いられます。「オンディレイタイマ回路」「オフディレイタイマ回路」というラダープログラムをご紹介します。

ディレイ(Delay)とは、「遅延」「遅れ」を意味します。

オンディレイタイマ回路

入力条件がONしたタイミングを遅らせて出力する回路です。

【動作】

1.接点「X0」をONすると、低速タイマ「T0」の加算が開始されます。

2.接点「X0」が3秒以上ONすると、低速タイマ「T0」がONになります。

3.接点「T0」がONになり、コイル「Y10」がONになります。

接点「X0」を3秒以内にOFFにすると、低速タイマ「T0」に加算されていた現在値が0になり、コイル「Y10」がONになることはありません。

オフディレイタイマ回路

入力条件がOFFしてから出力OFFのタイミングを遅らせる回路です。

【動作】

1.接点「X0」をONすると、直ちにコイル「Y10」がONになります。

2.自己保持回路により、接点「X0」をOFFにしてもコイル「Y0」がONのまま保持されます。

3.接点「Y10」がONで、接点「X0」がOFFになると、低速タイマ「T0」の加算が開始されます。

4.3秒後に低速タイマ「T0」がONになり、b接点の「T0」がOFFになり、Y10がOFFになります。

接点「X0」をOFFにして3秒以内にONすると、低速タイマ「T0」がOFFになり、コイル「Y0」が自己保持でONのままになります。


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